吹き抜け空間を設けることで、広く開放的な空間となるため、空間全体に冷暖房を効かせるのに時間がかかることや、冷暖房の空気が滞留するため、空気がなかなか設定した温度にならないこともあります。エアコンをつけていても空気の特性上、暖かい空気は上に流れ、冷たい空気は下にとどまる性質があるため、室内の温度が偏る場合があります。そのため、住宅の断熱性を高め、シーリングファンで空気の循環を生むなどの必要があります。

吹き抜け空間があると、音を遮断する壁が少ないため、音が家全体に伝わりやすく、不快に思う場合もあります。吹き抜けがあることで、家族の気配が感じられるメリットもありますが、生活音が気になる場合もあります。 例えば、リビングに吹き抜けのそばに寝室があるような場合、リビングで見ているテレビの音が他の家族にも聞こえて、目が覚めてしまう場合もあり、防音計画に費用が掛る場合もあります

吹き抜けを作ると、どうしても2階の床面積が小さくなります。あまり大きくない住宅の場合、2階の収納などのスペースが十分に確保できない可能性があります。そして、せっかく吹き抜けを作ったために、部屋の数や広さが十分に確保できず、後悔したといった可能性も考えられます。 吹き抜けを作る場合には、設計時の打ち合わせの時点で、2階に必要な部屋数や広さが確保できているかを、将来のライフスタイルの変化に合わせて計画しておくことが大切です。