住宅ローンの返済は収入に密接に関わるため、金融機関では収入額が重要視されます。広島県では、年収300万円がボーダーラインであり、年収400万円以上であれば審査通過が容易です。しかし、派遣社員や契約社員、フリーターは収入の不安定さから審査に通りづらく、自営業やフリーランスも同様に「収入が安定しづらい」という理由で審査に難しさが生じることがあります。

住宅ローン審査において、勤続年数が短いことも通らない理由の一つです。一般的に、2年～3年以上の勤続年数が望ましいとされますが、1年で検討してくれる金融機関も増えています。勤続年数が短いだけで審査に落ちることはない場合もありますが、年収が低かったり信用情報に問題があると他の要素と合わせて判断されます。金融機関は勤務先の規模も調査し、勤続年数が短くて収入が少なく、企業の規模も小さい場合は審査が難しくなることも。逆に、勤続年数と収入が同じでも公務員などは収入の安定が見込まれるため有利になることもあります。

住宅ローンの事前審査で最も通らない理由は、「個人信用情報に傷が付いていること」です。信用情報はクレジットカードやローンの返済実績を記録したもので、過去の返済遅延や回数が多いと審査が難しくなります。特に見落としがちなのが携帯電話の端末代金で、2年間の割賦金もローンとして扱われます。返済期日から60日以上の遅延履歴は「異動」として登録され、審査でNG判断を受けることもあります。信用情報に不安のある場合はCICやKSC、JICCから開示を受けることが可能で、情報開示料は500円～1,000円です。不安のある方は、審査申し込み前に一度確認することが重要です。

住宅ローンの審査において、他の借入が多い場合は不利になります。各金融機関は「返済負担率」という指標を設けており、収入に対する返済額の割合を規定しています。この返済負担率は住宅ローンの返済だけでなく、他のローンとの合算で計算されます。借入が多いと設定された返済負担率にギリギリで近づくか、オーバーしてしまう可能性があります。それにより審査に通らないケースも見られます。複数の借入がある場合は注意が必要です。また、奨学金も借入の一つとして審査時に申告が必要です。自身の返済負担率を把握し、慎重に審査に臨むことが重要です

住宅ローンの組む際、返済の遅延による信用情報の傷は大きな痛手です。個人信用情報機関に情報公開料を支払い、傷の有無を500円～1,000円程度で確認できます。もし傷が見つかった場合、既存の傷は変えられないが、これ以上増えないよう努力が必要です。携帯電話の端末代のような支払い遅延はよくあることですが、今からでも遅延しないよう注意することが重要です。具体的には、支払い方法を振り込みから引き落としに変更したり、口座をまとめたりすると良いでしょう。また、「引き落としされていなかった」という状況も注意が必要です。定期的に自身のお金の動きをチェックすることを習慣づけることが重要です。これらの対策を講じることで信用情報を改善し、住宅ローンの審査に有利に進めるでしょう。

住宅ローン以外での借入が多く、返済負担率が高い場合は、住宅ローンの事前審査に通るためには住宅ローンの借入額を減らさざるを得ないことがあります。もし払えるものがあるなら、一括で完済するのが理想的です。例えば、大きな買い物をローンで予定しているなら、家の購入を優先することが重要です。一部の金融機関では他のローンを完済することを条件に希望額を満額で貸す場合もあります。その際は親御さんに支払いを一時的に肩代わりしてもらうことも考慮すると良いでしょう。